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住民訴訟で杉並区民が勝った!

住民訴訟で杉並区民が勝った!
(最高裁の決定 2015年11月18日通知)

住民訴訟で国や地方自治体と住民が司法の場で争った場合、ほとんどと言っていいくらい住民側敗訴というのが日本の裁判の憂うべき実態です。 このような事は先進国にありません。

ところが、今回、杉並区長を相手に訴訟を提起した住民(すぎなみオンブズのメンバーや区在住ジャーナリスト)側が完全勝訴したのです。

これは快挙!なんです。  

地裁、高裁、最高裁まで争い、行政が完敗、すなわち、住民側が完全勝訴(100%)したのですから。 しかも区や全国自治体の条例の改定も迫られる内容を含んでいるのです。

で、それは何の事件かと言いますと・・・

報酬返還請求事件

簡潔に言うと
 
非常勤の杉並区選挙管理委員(元自民党杉並区議)が、2010年5月1日から10月25日まで、重病を理由として欠勤したにもかかわらず、月額24万2000円の報酬を区が払い続けたのは違法・無効だとして、計140万円の返還を求めた住民訴訟。

えー、休んでも報酬もらってんの!? ・・・って言いたいですよね、納税者として。

 そーなんです、フツーに考えても「いかがなものか」でしょう。 これ、延々と改めてこなかったのが杉並区です。 そこで本件住民監査請求(財務会計行為の違法・不当)により住民が指摘、違法に支出した報酬を返還せよとしたのです。

 杉並区監査委員(およそ第三者とは言えない内部の機関)は何ら意見も付けずに請求を棄却しました。
 
そこで、住民訴訟に訴えたわけです。 議会・監査委員を含めて杉並区と言う行政には自浄能力はありません。 住民が点検し、動かない限り内部では誰も取り上げないのです。
(注: 住民訴訟は、住民監査請求を経てからでないと提訴できないことになっています。突然、裁判を起こすことはできません。 これ、住民側の労力は並ではありませんね。)

争点はなーに

 裁判は法律上の争いであり、主としてそれを根拠とした主張を原告(訴えた側)・被告(訴えられた側)が法廷で繰り広げ、裁判長がジャッジするわけです。

分かり易く言えば、今回、選挙管理委員という非常勤行政委員に払っているのは、勤務状況に即して払う報酬(手当等)なのか、賃金のように生活給(保障すべきもの)なのか? ・・・と言う点が中心です。
そして、その解釈はどの法令に即しているのか? あるいは逸脱なのか? ・・・と。

地方自治法は・・・

非常勤行政委員の報酬を規定しているのは、地方自治法203条の2第2項で、原則日額としています。 「生活給」としての趣旨を含まず純粋な職務に対する反対給付という意味であり、給料と区別している。 そのうえで、同項ただし書きで、条例で特別の定めをすれば日額以外でもよいとしている。

この但し書きにより、杉並区をはじめ、現在多くの自治体では月額報酬制をとっている。
しかし、法令の本来趣旨は「原則日額」なのです。

そして法解釈の視点として、納税者・住民の視線に耐えられる内容かという事を加味すべきであり、特別扱いの条例には、金銭支出に抑制が働いていなければならないとすべきだと考えます。

裁判所(司法)の判断は・・・

 1審(東京地裁)2審(東京高裁)の判断は、非常勤行政委員の報酬に生活給の意味はないとの法解釈にたって、欠勤した選管委員には勤務の実態がなく、こういう場合にも月額を払うと定めた杉並区の条例は違法・無効であると判断しました。
選管委員は欠勤中、寝たきりか、重い障害をかかえてリハビリをするような状態だったことは各種証拠により立証されたのです。
杉並区側は「自己研さんに励んだ」などと反論したが、判決では、選管委員としての職務はいっさいできなかったと判断されたのです。

 杉並区はこれら下級審(地裁・高裁)の判断を不服として、最高裁へ上告しました。
非常勤行政委員の報酬に「生活給」の趣旨を含まないとする解釈は誤りであるなどと上告理由書などで反論しましたが、結局最高裁はこれを上告不受理で受け入れないと決定したのです。
裁判所も擁護できないくらい行政が甘い条例運用をしていたとも言えますね。

よって高裁の判決が確定し、住民側が100%勝利したのです。

 杉並区及び杉並区議会は、この最高裁決定を受け、真摯に反省し、適切な条例改正を迫られていると言えます。

 なぜ住民監視が必要か? なぜすぎなみオンブズ活動が求められているか? そのことが軽減される日はまだまだ来ませんね。


以上



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