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杉並区への住民の意見書の提出方法 [これでいいの?]

杉並区への住民の意見書の提出方法 [これでいいの?]

杉並区から「意見書の提出」「パブコメ募集」などのお知らせがあります。
みなさんはFAX、メール、郵送、HPから等で意見を区役所へ送っていることと思います。

ところが 最近こんな事例がありました。A,B二つの例をあげてみます。

A, 大規模開発事業「土地利用構想に関する意見書」は直接区役所へ持参するか郵送(期日までに必着)しか認めません。

「杉並区まちづくり条例」に基づき、区域の面積が5000平方メートル以上の開発行為、又は100戸以上の共同住宅又は述べ1万平方メートル以上の建築物の建築の大規模開発事業についての区民からの意見書提出の募集がありました。
杉並区都市整備部管理課は
この意見を区役所へ持参するか、郵送(期日までに必着)しか認めていません。

「阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業」の意見書は持参か郵送(期日まで必着)の方法しか認められず、
締め切り日の6月4日の都市整理部管理課の窓口では多くの区民が「どうしてこの方法しかダメなのですか」と質問の声を上げていました。

この事業は阿佐ヶ谷駅前の杉一小学校、河北病院、通称けやき屋敷の森に関係する大規模開発に関する事業で、2万6千平方メートルという膨大な土地開発なので、多くの区民の関心のあるところです。それにもかかわらず、パブコメのようにFAXやメール、HP等から区民の意見を送ることはできませんでした。

B, 1月~2月に行われた「(仮称)阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくり計画(案)」の意見募集は
郵送・FAX・持参・区のHPからも書き込めた。

A,B の違いはどうしてか。

以下はオンブズの情報公開請求と区の都市整理部管理課草間奏介氏への質問でわかったことです。

質問 「どうしてA, Bで違うのですか」
草間氏回答「Aはまちづくり条例に基づきます。Bは杉並区区民等の意見提出手続に関する条例(通称パブコメ条例)に基づきます。
   Aは【まちづくり条例 第23条・・・大規模開発事業(以下「大規模開発事業」という。)をしようとする者(以下「大規模開発事業者」という。)は、・・・】と書いているように事業を行う人は民間人も含みます。
Bのパブコメ条例では
【第3条 区の機関は、政策等の策定をしようとする場合には、・・・区民等の意見を求めなければならない。】と書いているように区がやるものです。」


質問「意見書の提出方法について、規則が書いてあるのですか」
回答「どこにも方法についての規定はありません。国交省の「都市計画法」を参考に意見書の提出を求めています。」

質問「都市計画法に提出の方法が書いてあるのですか」
回答「どこにも書いていません。区民に対し不親切ではなく、事務手続き上、慣習で持参か、郵送(必着)としました。」

質問「Aの持参、郵送(必着)の根拠を聞いているのですが」
回答「それは民法97条(到達の原則)に基づきます。FAXやメールでは送り間違えがあります。郵送の場合は送り間違えれば、発信者に送り返されてくるから、送れていないことがわかます。FAXやメールでは区役所ではなく、別の場所に届いてしまうこともあるので、到達したかどうか、不明です。民法97条に照らして、到達の原則の確実性を尊重しています。」

質問「それでは、パブコメの方法でFAXやメールで提出した場合は区役所に届いているかどうかという確実性に欠けるのですか」
回答「そんなことはありません。」

質問「阿佐ヶ谷駅前の開発は多くの住民に影響があるじゃないですか。それにとても大きな広域にわたる大規模開発で広く区民の意見を求めるべきなのにどうしてですか。」
回答「ですからそれはパブコメとまちづくり条例の違いです。民間人の関係する大規模開発は持参か、郵送(必着)の方法を取っています。」

質問「意見書の提出方法は区議会で決めるのですか」
回答「いいえ、課として決めています。」

というやり取りが1時間以上続きました。
最後に「区としてご意見を承りました。」と、終わりました。

家に帰り民法97条を調べました。
民法97条
(隔地者に対する意思表示)
「隔地者に対する意思表示はその通知が相手方に到達した時からその効力を発する。」
と明記しています。相手方に提出する方法は一切書かれていません。

「杉並区まちづくり条例」が2009(平成21)年3月に改正され、「大規模土地取引行為」について追加されました。
2009年以後、A の方法で意見書が募集されたことが18件あります。

現在、「土地利用構想について、杉並区まちづくり条例第26条の規定に基づく意見書」を募集しています。提出方法は総て直接持参か郵送(必着)になっています

・阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業(2019年5月8日~6月4日)
・(仮称)特別養護老人ホームフェニックス杉並新築工事(2019年5月31日~6月27日)
・明治大学和泉キャンパス新教育棟(仮称)整備計画(2019年6月11日~7月8日)
・杉並区高円寺南2丁目新築計画 (2019年6月12日~7月9日)

「まちづくり条例」に関していなければ、広く区民の意見を求める方法を取っています。
・(仮称)阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくり計画(案)については
2019年1月28日~2月28日まで、郵送、FAX、持参、メール
・(仮称)荻窪駅周辺都市総合交通戦略(案)について
  2018年12月19日まで、郵送、FAX、持参、メール
・「上井草駅周辺道路・交通施設整備計画(案)について
2019年6月14日~7月5日 郵送、FAX、持参、メール

以上、見てきたように区では、土地に関する大規模開発事業について(おそらく多額の税金が投入される)は区民に意見を一応聴くが、できるだけ区民にとって、意見を出しにくいように区役所へ持参か、郵送(期日までに必着)という方針を取っていることが分かりました。
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