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堀部やすし議員の総務財政委員会での発言

 議題は、議案79号(杉並区長等の給与等に関する条例等の一部を改正する条例)。

 区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料等並びに議員報酬の引き上げを行うもので、以下の理由から、議案にも反対しています。

 区長給与・議員報酬の取扱いは
  杉並区敗訴(違法支出/最高裁決定)を踏まえて判断を


 さる11月18日、最高裁第2小法廷の決定により杉並区敗訴が確定し、区の違法支出とともに「杉並区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例」の規定が違法・無効であることが確認されました。

 この問題に対し、何ら「けじめ」をつけることなく、区長給与及び議員報酬を引き上げることは許されないことです。

                     ◆

 ちょうど2週間前のこと、杉並区を被告とし、長く争われていた報酬返還請求事件が決着しました。杉並区の上告を不受理とし、杉並区敗訴の判決が確定しています。

 重病で、いっさい職務遂行できない状態のまま、長く欠勤となっていた選挙管理委員に、杉並区が約140万円の報酬を支払っていたことは違法とされ、これによって、区長は返還請求手続を行うよう命じられました。

 区長が長く返還請求を怠っていたことについても、違法と断定されています。

 杉並区では、職員の違法行為が確認された場合、通例その責任者は処分され、たとえば、給料を(一定期間)減額するといった措置がとられてきたところです。

 しかし、なぜか、今回は、そのような話になりませんでした。

 それどころか、最高裁決定により判決が確定となった直後にいきなり、このように自らの給与を引き上げる提案が行われてきたわけです。

 なぜ、このような厚顔無恥な判断をすることができるのか。区長の見識を疑わざるを得ません。もちろん、区長の暴走を止めるのは、まさに議会の役割であり、われわれ議員は、このような田中区長の不見識にお付き合いをすべきではありません。

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 この問題が深刻であるのは、単に区の支出が違法と判断されたにとどまらず、その支給の根拠であった条例の規定そのものも違法・無効と判断された点にあります。

 この問題は、重病で、いっさい職務遂行できない状態にあった元選管委員個人の問題ではありましたが、しかし、現行条例の規定が違法・無効であると言い渡された以上、その責任は、杉並区長のみならず、条例制定権を持つわれわれ杉並区議会にもある、ということです。

 違法支出のみならず、その根拠となる条例規定の違法無効が指摘された以上、この問題は、区長及び議会が連帯責任を負っているというべき状態にあるのです。

 課題が解決するまで、それこそ0.3%相当の減給及び報酬削減を図るならともかく、何を間違えたのか、このタイミングで、それとは全く逆となる給与報酬の引き上げを図るなど、常軌を逸しています。

 この違法を解決する方策を示すことなく、区長給与及び議員報酬を引き上げることに、広く区民の理解が得られるとは思えないところです。これでは最高裁決定に基づく確定判決を謙虚に受け止めていないと判断されかねず、憂慮に堪えません。

 なお、上告不受理とした最高裁第2小法廷といえば、かつて杉並区教育委員会の委員であった鬼丸かおる裁判官が在職されている小法廷です。

 杉並区教育委員時代の鬼丸氏に欠勤が全くなかったのか否かは不明ですが、今回の最高裁決定は、鬼丸裁判官にとっても厳しいものであった可能性があるのです。その重みは、推して知るべし、でしょう。

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 第2に、特別職報酬等審議会「答申」の取扱いなどについても、課題があります。

 本年の答申は、11月4日付であり、これは先の最高裁決定により杉並区敗訴が確定した11月18日より前のものであることを踏まえなければなりません。

 特別職報酬等審議会は、①議員報酬及び②政務活動費の額並びに③区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額について審議する区長の附属機関であり、例年、特別区人事委員会の報告及び勧告を受けて、開催されています。

 本年は、11月4日に審議会に諮問されるとともに、同日付で答申を受けています。その写しは11月10日付で議長に送付され、11日付で議会にて収受されています。

 その内容は、区長等の給料及び議員報酬をそれぞれ月額0.3%引き上げるとともに、期末手当を0.1カ月分引き上げることが相当とされており、本議案も、そのとおりに引き上げる内容になっています。

 しかし、今回の答申は、先の最高裁決定のあった11月18日より前に示されたものであり、すでに前提となる背景事情は大きく変わっている、というべきです。

 特別職の給与報酬を人事委員会勧告に合わせる形で変動させるべきなのか否かを含め、この問題については、一度落ち着いて課題を整理しなければなりません。
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 さて、先ごろ臨時国会の召集が見送られ、本年は、国家公務員の給与改定が行われませんでした。53年ぶりの年越しです。

 したがって、国会議員を含む国家公務員の給与等は、本年、据え置き状態となっています。このような背景もまた「均衡の原則(地方公務員法24条3項)」からは無視できないものです。

 一般職についても、同法及び平成18年以降の給与制度改革を踏まえるなら、本日(12月1日)現在、国の給与改定方針が決定されていない状況の中での給与改定は、これを正当化できる根拠が若干弱く、本年はとりわけ慎重な対応が求められているといえます。

 「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」報告書(平成18年3月)は、その給与水準について、地域の民間給与をより重視して均衡の原則を適用すべきであるが、「仮に民間給与が著しく高い地域であったとしても、公務としての近似性及び財源負担の面から、それぞれの地域における国家公務員の給与水準をその地域の地方公務員の給与の水準決定の目安と考えるべきである」との解釈を示しています。

 これは、総務省「地方公務員の給与制度の総合的見直しに関する検討会」報告書(平成26年12月)においても同様に指摘されていところであって、これが地方公務員法24条3項が定める「均衡の原則」の基本となっていることを指摘しておきます。

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 以上の理由から、本年の給与改定は、例年とは異なり、とりわけ慎重な対応が求められているところ、今回の区長提案は、杉並区の違法支出(杉並区敗訴)が確定した11月18日の最高裁決定を全く踏まえていないなど、あまりにも常軌を逸したものとなっています。

 よって、本年は、区長給与及び議員報酬の引き上げを行うことのできる状況にはないというべきです。
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